【気になる！】Girard-Perregaux（ジラール・ペルゴー）の時計ってどうなの？

スイス高級時計ブランド Girard-Perregaux（ジラール・ペルゴー） の歴史と特徴を、創業から現代までまとめます。

1791年ジャン=フランソワ・ボーテ（Jean-François Bautte）がジュネーヴで時計・金細工職人として活動を開始。時計製造のすべての工程を一つの屋号のもとで行う「マニュファクチュール的」な体制を持っていたのが特徴。

1852年コンスタント・ジラール（Constant Girard）が La Chaux-de-Fonds（ラ・ショー＝ド＝フォン）にて “Girard & Cie” を設立。

1854年Constant Girard が Marie Perregaux と結婚。これが後のブランド名 “Girard-Perregaux” の由来となる。

1856年正式に製造所（マニュファクチュール）として Girard-Perregaux の体制が整い始める。

1880年ドイツ海軍向けに腕時計を製作（将校用）するなど、大量注文のケースが登場。当時は懐中時計が主流の時代。

1889年パリ万国博覧会などで “Three Gold Bridges（3つのゴールドブリッジ）” を備えたトゥールビヨンが高く評価され、金メダルを受賞。

このように、ブランドは創業から早くも「ムーブメントの美しさ」「精度」「伝統的な時計作りの総合力」が評価されてきました。

1906年ジラール・ペルゴーが Bautte（ボーテ）家の後継体制を含むグループを買収。ブランドの伝統を引き継ぎながら統合が進む。

1960年代高振動ムーブメントの開発。36,000振動／時（高振動＝“High Frequency”）ムーブメントを量産体制にするなど、クロノメトリー（時計の正確性）の面で積極的。

1970年クォーツ時計のパイオニアとして、石英（クォーツ）振動数 32,768 Hz を持つムーブメントを導入。この周波数は後にクォーツ腕時計の標準となる。

1975年スポーツ高級時計「Laureato（ロレアート）」が登場。オクタゴン（八角形）風ベゼル、統合ブレスレットといったデザインが特徴。ラグは目立たずケースとブレスレットが滑らかに繋がるスタイル。1970年代のスポーツラグジュアリーの潮流に乗ったモデル。

現代の位置づけとコレクション

現在の Girard-Perregaux は、「高級ハイエンド・マニュファクチュール（自社一貫製造）」として、以下の特徴を持っています。

ブランドの特徴

• ムーブメントの設計・開発・製造をほぼ自前で行う。ケース、ブリッジ、装飾など細部にもこだわりがある。

• デザインと機構を融合させること。例えば「Three Gold Bridges（3つの金のブリッジ）」は、単なる機械的構造ではなく美的要素としてもブランドのアイコン。

• 特許や技術革新。振動数、クォーツの基準、特殊な脱進機（escapement）など、多くの技術的足跡がある。

主要コレクション

いくつか代表的なコレクションを挙げます：

経営・ブランドの変遷

• 所属グループ：もともとは独立したマニュファクチュールですが、1980年代以降、ソウインド（Sowind）グループの下にありました。

• Kering（ケリング）との関係：2011年、Keringグループの傘下に入る。

• 最近は、Keringがブランドの売却を進めていたというニュースもあります。

なぜ評価が高いのか

Girard-Perregaux が 時計愛好家やコレクターから高く評価される理由を整理すると：

1. 歴史の深さ：1791年から続く老舗で、時計製造のほぼ全工程を手がけてきた伝統。

2. ムーブメントの技術力：高振動、クォーツの先駆者、複雑機構（トゥールビヨン、脱進機設計など）。

3. アイコン的デザイン：Three Bridges や Laureato のような視認性のあるデザイン。機械美と外観デザインのバランスがよい。

4. 製造一貫性：部品設計からケース・文字盤・装飾まで、社内での品質管理が徹底されている。