【気になる！】Tissot Heritage “Banana”（バナナ・ウォッチ）の時計ってどうなの？

概要

「バナナ・ウォッチ」として知られる Tissot の Heritage シリーズ中の代表的モデル。名前の由来は、ケースが手首に沿うように緩やかに湾曲しており、まるで “バナナ” のような形状をしていることによります。

長方形のケースながら、曲線を帯びて手首にフィットするデザインと、デフォルメされたアラビア数字を用いたダイアルが特徴です。

・オリジナルは 1916年、ロシア帝政時代（Russian Revolution前夜）に、ロシアの貴族（宮廷）向けに製作されたモデルが起源。

• ケースサイズ：約 27 mm（幅）× 49 mm（長さ）。長方形ですが縦長フォーマットです。
• ケース素材：ステンレススティール（316L）、あるモデルではイエローゴールドPVD仕上げ。
• 厚さ：約 7 mm と薄型。
• リューズ（王冠）はオニオンタイプのクラシックスタイル、文字盤のインデックスはアール・ヌーヴォー／アール・デコ調の大きなアラビア数字。
• ダイアルにはカレンダーも秒針も無いモデルがあり、「時＋分」のみのシンプル構成となっていることも。

• 多くの現行・リバイバルモデルではクォーツムーブメント（例えば ETA 901.001）を採用。
• 防水性能は比較的控えめで、30 m（3 ATM）程度のものが多い。

• レザーストラップ仕様が基本。カラー・素材で限定仕様が出ている。
• 日本限定モデルではホワイト文字盤やネイビーストラップ仕様、特別刻印キャンペーンなどが実施されました。

以下、いくつか代表的なモデルを紹介します（在庫・仕様は流動的です）。

• Tissot Heritage Banana T117.509.16.092.00：ローズゴールドPVDケース、ブラック文字盤仕様。
• Tissot Heritage Banana T117.509.36.022.00：イエローゴールドPVDケース、ブラウンレザーストラップ仕様。
• Tissot Heritage Banana T117.509.16.012.00 (White)：ホワイト文字盤仕様。
• Tissot Heritage Banana Z181 Quartz：やや旧仕様のクォーツモデル。
• Tissot Heritage Banana SS Case Silver Dial：ステンレススティールケース、シルバーダイアル。
• Tissot Heritage Banana QT Calf：カーフストラップ仕様のバリエーション。

また上記に続く他バリエーションもあり、カラー・素材違いで展開されています。

• ケースの曲線が手首に沿うデザインで装着感に優れ、かつ視覚的にユニーク。
• 100年以上前のデザインなのにモダンにも映る、アール・ヌーヴォー／アール・デコのエッセンスを感じさせるタイポグラフィやダイアルレイアウトが持ち味。
• 比較的手の届きやすい価格帯でありながら、Tissot の歴史的なデザインを楽しめる点が評価されています。
• 性別を問わず、ドレッシーなスタイルとして使えるため、ギフトとしても人気。

• 長方形ケース＋縦長というプロポーションのため、手首のサイズ・服装との相性を確認することをおすすめします（細腕の方には長さが気になる場合あり）。
• クォーツモデルが中心で、機械式を期待する場合は仕様をよく確認する必要があります。
• 「バナナ・ウォッチ」という呼称ゆえに、非純正／模倣品・オールドモデルの扱いに注意する必要あり。
• ストラップ・バックルの仕様変更や限定刻印モデルなどがあるため、「正規仕様」かどうかを確認すると安心です。

• 長方形〜樽型（トノー型）のケースが手首に沿って湾曲している
• アール・デコ調の大きなアラビア数字
• クラシックかつ遊び心のある雰囲気

…といった特徴は共通しています。

Tissot と Franck Muller の間に 資本的・技術的な関係やコラボレーションは一切ありません。
ただし、「デザイン的な系譜」「時代背景」という点で、非常に興味深い“間接的なつながり”があります。

1. 1910〜1930年代
   ヨーロッパではアール・デコ様式が流行。湾曲ケースや大胆な数字フォントが登場（Tissot、Cartier、Longines など）。
2. 1980〜1990年代
   時計の機械式ブームが再燃。Franck Muller がこの古典的デザインを“復興”させる形で現代に蘇らせた。
3. 結果として
   Franck Muller の「トノウ・カーベックス」は、かつての Tissot Banana や Cartier Tank Cintree などに通じるスタイルを持つ。

• 直接の関係はないが、デザイン上の「祖先・影響源」のような関係がある。
• Tissot Banana（1916）→ アール・デコ時計文化 → Franck Muller（1990s）
  というデザインの流れを辿ることができる。
• つまり、Tissot Banana Watch は「フランク・ミュラーの美学の原型のひとつ」と言っても過言ではありません。