【気になる！】HMTの時計ってどうなの？

いい質問ですね！では、インドの国民的時計メーカー HMT（Hindustan Machine Tools） の歴史をまとめますね。

HMTの時計の歴史

創業の背景

• HMT（Hindustan Machine Tools） は、1953年にインド政府が設立した国営企業。
  本来は工作機械メーカーとしてスタートしましたが、国民生活を支える工業製品を広く提供するために、時計分野にも参入しました。

時計事業の開始（1961年）

• 1961年、HMTは日本のシチズン時計株式会社（CITIZEN）と技術提携を結び、時計製造を開始。

• 最初にバンガロール工場で生産を始め、インドで初めての国産腕時計メーカーとなりました。

国民的ブランドへ（1960〜1980年代）

• 「**Timekeepers to the Nation（国民のための時計）」**というスローガンで親しまれ、安価で信頼性の高い時計を提供。

• インドでの結婚式や贈り物の定番であり、HMTの時計は「一家に一つはある」と言われるほど普及しました。

• 特に人気だったのが、手巻き式や自動巻きの機械式時計で、丈夫さとシンプルなデザインが特徴です。

• 1980年代にはクォーツ時計の生産にも乗り出し、国内市場をほぼ独占しました。

衰退（1990年代以降）

• 1990年代の自由化以降、SEIKO、CITIZEN、TITAN などの新興ブランドや輸入時計に押されてシェアを失っていきます。

• デザインや販売戦略の遅れもあり、HMTの時計部門は徐々に赤字に転落。

時計製造の終了（2016年）

• インド政府はHMTの時計部門を整理対象とし、2016年に正式に時計製造を終了。

• ただし、その後も未販売の在庫品や復刻モデルがコレクターの間で人気となっています。

HMT時計の特徴

• シチズン譲りの技術による頑丈な機械式ムーブメント。

• シンプルでクラシックなデザイン。

• インド人にとっては「初めての腕時計」として思い出深い存在。

• 今では「ヴィンテージHMT」はコレクターズアイテムとなり、海外でも評価が高まっています。

👉 要するに、HMTは「インドのセイコー」とも言える存在で、国民に愛されながらもグローバル競争に敗れたブランド。でも今ではそのレトロ感が逆に魅力となって、再評価されているんです。