【気になる！】West End Watch Co.（ウエストエンド・ウォッチカンパニー）の時計ってどうなの？

West End Watch Co.（ウエストエンド・ウォッチ・カンパニー）は、スイス時計史の中でも独特の位置を占めるブランドで、特にアジア・中東市場での展開に強みを持ってきたメーカーです。以下に歴史をまとめます。

創業と初期（1886年～）

• 1886年、スイス・ジュラ地方のサンティミエ（St-Imier）にて設立。
  創業者は Arnold Amstutz と Constant Droz。

• 当初から輸出を主眼にしており、ブランド名「West End」はイギリス・ロンドンの高級地区「ウェストエンド」にちなんで名付けられました。

• イギリスやインドの時計商を通じ、植民地市場で人気を博しました。

インド・アジア市場での成功

• 19世紀末から20世紀初頭にかけて、インド、ビルマ、中東などで広く販売。

• 第一次世界大戦中（1914～1918年）、イギリス軍兵士に多く使用されたことで「軍用時計」としての評価を確立。

• インドでは「兵士の時計」として親しまれ、West Endは“信頼性の象徴”のような存在になりました。

イノベーションとブランドの確立（1920年代～1940年代）

• 1917年：「ソワリス（Sowar）」というモデルを発表。これはインド騎兵（Sowar Cavalry）にちなんだ名前で、同ブランドの代表作の一つとなります。

• 1920年代～30年代：アジア市場でさらに拡大し、現地のニーズに合わせた防塵性・防水性の高い腕時計を開発。

• 英国軍やインド市場で「頑丈で壊れにくい」時計として高評価を得ました。

戦後からクォーツショック（1950年代～1970年代）

• 戦後も主にインド・中東を中心に展開。

• クォーツショックの影響を受けましたが、ローカル市場での強いブランド力により存続。

• 1973年、インドのボンベイに支社を設立し、現地での販売網を強化。

近年の展開（1980年代～現在）

• 1990年代以降：スイスの伝統と中東・アジア市場での人気を融合させたブランド戦略を展開。

• 「Sowar」コレクションを現代的にリメイクし、ミリタリー・クラシック・エレガンスを兼ね備えたデザインを継続。

• 中東（特にイラン、アフガニスタン）では今も強い人気を持ち、スイス製ながら「ローカルに根差した時計ブランド」という独特の立ち位置を維持しています。

特徴まとめ

• スイス発祥だが、ヨーロッパよりも インド・中東市場で成功したブランド。

• 軍用時計や耐久性あるモデルで知られる。

• 特に代表作 **「Sowar（ソワリス）」**は、West Endの象徴的シリーズ。

• 現在もスイスに本拠を置きつつ、アジアを主な市場として活動。