【気になる！】J.W. Benson（J.W.ベンソン）の時計ってどうなの？

J.W. Benson の時計の歴史

創業と初期（19世紀前半）

• **J.W. Benson（James William Benson, 1826–1878）**とその兄 Samuel Suckley Benson が、1847年にロンドンで "Samuel & J.W. Benson" として創業。

• 当初は宝飾・時計・銀製品を扱う高級店としてスタート。

• 1855年に兄弟が別々の道を歩み、以降は J.W. Benson, Ltd. が独立して活動。

王室御用達の時代

• J.W. Bensonはヴィクトリア女王、プリンス・オブ・ウェールズ（後のエドワード7世）、皇太子アルバートなど、英国王室をはじめとする多くの王侯貴族に時計・宝飾品を納めるようになり、ロイヤル・ワラント（王室御用達） を授与されました。

• そのため、当時の懐中時計や置時計には「By Warrant to Her Majesty the Queen」などの刻印が見られることがあります。

19世紀後半〜20世紀初頭

• ベンソンはロンドンの Ludgate Hill（ルドゲート・ヒル） に拠点を構え、ヴィクトリア時代を代表する時計商として名を馳せました。

• 自社名義の懐中時計やクロックを製造・販売しましたが、多くはスイス製ムーブメント（特にジュネーブやヌーシャテル製）を使用し、それに英国的デザインのケースや仕上げを施す形態が多かったです。

• 一方で、イギリス国内の職人による製造・組み立ても行っており、"English Lever" と呼ばれる伝統的な英国式レバー脱進機の時計も残っています。

20世紀（腕時計時代へ）

• 20世紀初頭、懐中時計から腕時計への移行期に、ベンソンも軍用や民間向けの腕時計を製造・販売しました。

• 第一次世界大戦期には オフィサーズ・ウォッチ（軍将校用の初期腕時計）を手がけ、英国兵士や士官に使用されました。

• 第二次世界大戦以降は、スイス製の高品質ムーブメントを搭載したドレスウォッチや実用時計が多く見られます。

戦後〜後年

• 戦後もロンドンの高級時計商として営業を続け、J.W. Bensonブランドの腕時計は主に ETAやFHFなどスイス製ムーブメント を使用し、英国でケーシングされて販売されました。

• 1970年代のクォーツショック期には経営が縮小し、やがてブランドとしての存在感は薄れていきます。

• その後、J.W. Bensonの名前は一時的に市場から姿を消しましたが、アンティーク市場ではいまも「英国王室御用達ブランド」として高く評価されています。

特徴

• 英国王室御用達の名門ブランド。

• ヴィクトリア時代の英国文化を象徴するクラシカルなデザイン。

• 19世紀の懐中時計から20世紀の初期腕時計まで幅広く現存。

• 多くはスイス製ムーブメントを採用しつつ、英国的意匠やケース仕立てで独自性を出している。

👉 アンティーク市場では、

• 懐中時計（特にロイヤルワラント刻印入り）

• 第一次世界大戦期のオフィサーズ・ウォッチ

• 1950〜60年代のドレスウォッチ

などがコレクターに人気があります。